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「総理を殺せ」 全2巻 原作・森高夕次 劇画・阿萬和俊

漫画家・コージィ城倉が、漫画原作者・森高夕次として発表した初めての作品。
1995年1月10日東京、主人公・三浦は目を覚ます。
彼は2024年に中国から東京に落とされた核ミサイルの爆発のショックによりタイムスリップしてしまったのだ!
そこで三浦は歴史を変えるため日本の軍備を増強し徴兵制を復活させ、さらに中国に核を打ち込んだ総理・剣崎を1995年の時点で殺そうとたくらむ。
はたして三浦は剣崎を殺すことが出来るのか?
そして歴史は変わるのか?
といったところが大体の筋である。
ここにタイムスリップしたばかりの三浦を助けた恩人であり、剣崎の親友でもある男・遠藤が絡み話が展開していく。


さてコージィ先生のマンガの特長としてまず具体的に上げられるところといえば、語尾に記号的に「ハートマーク」のみならず「温泉マーク」を使用する点があるが、この作品には一切それがない。
無論これはシリアスな作品の雰囲気に合わないためであろうが、少なくとも最近の森高名義の作品がコージィ名義の作品と大きく違いのないのに対しこの時点ではコージィ城倉では出来ないものを、という思いが強かったように感じた。
というよりコージィ城倉では出来ないものをやるために森高夕次が誕生したようである。

その他にコージィ先生の特長としては、読者の予想を裏切ることに全力を尽くしているかのような展開。
そして、作者のテンションをそのまま反映させたかのような盛り上がりと、ブン投げなどが上げられるが、構想10年!という寝かせていた期間の長さが功を奏したのか、コージィ先生の長所である怒濤の展開は通常の作品以上に、次のエピソードを思いついたり、今の話に飽きて、いきなりブン投げるという短所は全く出ないという、奇跡的なレベルで作品が完成している。
特に作品の終わらせ方の酷さでは定評のあるコージィ先生にあるまじき(超失礼)、完璧なラストには感動すら覚える。

自分がこれまでもっていた「ハイテンション時を保てればコージィ先生は戦後日本マンガ界全体でも最上位クラス」という妄想も、あながち妄想ではないと思わせる出来だ。


なにしろ野球マンガでも追い詰められた人間たちの心理描写が秀逸な作者が、義による殺人というある種の極限状態での心理を描くのだから、これはもう面白くないはずが無く、また作品内の未来世界における日中の緊張状態の原因が2014年に日本と中国の領海線上に油田が発見されたことであったり、また1995年の世界でも阪神大震災や地下鉄サリン事件など実際の出来事と絡めることで物語のリアリティを高めている。

作画の阿萬先生も、個人的には「砂漠の野球部」のころのコージィ先生の絵柄をよりシリアス向けに寄せたような印象を受けた。
悪くいえば特長がないともいえるが、いい意味でも癖のない絵柄でコージィ先生ファンの自分としてはすんなりと物語に入れたという点で好印象だ。


またもともと主人公は、ショックを受けると一定時間タイムスリップをしてしまう体質だったため、あまり悩むこと無く今回のタイムスリップを受け入れることが出来ており、また今まではそれほど長い時間ではなかったために、自分がどれだけこの時代にいられるかはっきりせず、行動に悩みも生まれるわけだが、本編では最初のタイムスリップ以外にこの設定が活かされなかったのが残念といえば残念。
まあコージィ先生らしくはあるのだけれど。



2巻という長さが、一切のダレをゆるさず突き進むSF社会派サスペンス(本当か?)「総理を殺せ」は現在絶賛絶版中!!
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ネタなんだかマジなんだか解らない、馬鹿格好良いマンガやらメタルやらを好みます。

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